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兵庫医科大学学長・中西先生によるセミナーが10月23日(木)に医薬基盤研究所で開催されました。


演題: 多様な機序で起こる気管支喘息

 気管支喘息はアトピー型(TH2/IgE依存)と非アトピー型(IgE非依存)に大別される。Th2細胞はIL-4,IL-5,IL-13を産生し、気道狭窄、気道過敏性亢進、ムチン産生、肺組織内好酸級増多などを誘導する。またB細胞でIgE産生を誘導する。産生されたIgEは肥満細胞や好塩基球にFcεR1を介して結合し、生体が再度アレルゲンに暴露されるとアレルゲン/IgE複合体が肥満細胞や好塩基球上で形成され、その結果気管支喘息が発症する。一方、IgE非依存型気管支喘息の発症は気道感染が原因で起こる。感染が起こると、病原体の様々な成分(天然アジュバント)で気道上皮細胞が刺激されIL-18,IL-25,IL-33,TSLP等の産生が起こる。IL-18やIL-33を野生型マウスに経鼻投与すると、気管支喘息が誘導される。しかし、そのメカニズムは全く異なる。即ちIL-18はT細胞依存的に気管支喘息を誘導する。一方、IL-33は2型自然リンパ球ILC2依存的に気管支喘息を誘導する。気管支喘息が様々な機序で起こることを紹介する。